こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。

歯の詰め物や被せ物と聞くと銀歯が一般的でしたが、最近では見た目の美しさと機能性を兼ね備えたセラミックを選択する方が増えています。なかには、奥歯の治療に、機能面や審美性の高さからセラミックを検討している方もいるでしょう。
本記事では、奥歯をセラミックにするメリット・デメリットを詳しく解説し、素材の種類や費用についてもお伝えします。治療選択の参考にしていただければ幸いです。
目次
銀歯は虫歯になりやすい?

銀歯は金属なので、食べ物などの温度変化でわずかですが膨張と収縮を起こします。また、長期使用による金属や接着剤の溶け出しなどによって、徐々に歯と銀歯の間に隙間ができるケースが多いです。この隙間から虫歯菌が侵入すると、二次虫歯になるリスクが高まります。
また、銀歯の主成分であるパラジウム合金は、口の中で少しずつ溶け出すため、これが原因で金属アレルギーを発症することも稀にあるでしょう。長期間使用している場合、これらのリスクが高くなる傾向にあります。
銀歯の寿命は一般的に5年程度と短いです。そのため、頻繁に治療を繰り返す必要があり、長期的に見ると歯への負担も大きくなります。
奥歯をセラミックにするメリット

見えにくい奥歯だからといって、銀歯を選択する方もいるでしょう。実は奥歯こそ、機能性や耐久性が求められるため、セラミックにするメリットが多くあります。ここでは、奥歯をセラミックにすることで得られる代表的なメリットについてご紹介します。
自然な見た目を再現できる
セラミックは天然歯に近い質感や色味を再現できるため、治療跡が目立ちません。セラミックは陶材でできているため、天然歯と同じような透明感と艶があります。また、歯茎との境目も自然に仕上がるため、治療していることがほとんどわからないでしょう。
また、セラミックは表面が滑らかで、プラークや着色汚れが付きにくいです。そのため、長期間にわたって美しい白さを保つことができます。
耐久性と機能性が高い
セラミックの寿命は10〜15年ほどといわれており、しっかりとケアをおこなえば、それ以上使用することも可能です。セラミックは硬く、奥歯のように強い咬合力がかかる部分にも使用できる素材です。
なかでも、ジルコニアは、人工ダイヤモンドと呼ばれるほどの強度を持ち、奥歯の強い噛み合わせにも十分耐えられます。銀歯の約2〜3倍の耐久性があり、長期的に見ると治療回数を減らすことができます。
身体に馴染みやすい
セラミックは生体親和性が高く、歯肉に炎症を起こしにくいのも大きなメリットといえるでしょう。
セラミックは、長く使用しても金属のような変形が起こりません。そのため、歯との適合性が長期間保たれ、細菌の侵入を防ぐことができます。虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことが期待できるでしょう。
奥歯をセラミックにするデメリット

セラミックには多くの利点がありますが、当然ながらすべてが万能というわけではありません。費用面やメンテナンスなど、注意すべきポイントも存在します。セラミック治療を検討するうえで知っておきたい、主なデメリットについても理解しておきましょう。
費用が高額になる
セラミック治療は保険適用外の自費診療となるため、1本あたり数万円〜十数万円の費用がかかります。奥歯を複数本セラミックにする場合、総額で数十万円〜百万円を超えることも珍しくありません。この点は、費用を抑えたい方にとって大きなデメリットとなるでしょう。
割れるリスクがある
セラミックは耐久性に優れた素材ですが、衝撃に弱いという特徴があります。奥歯は食事のたびに強い力が加わる部分です。
また、夜間の歯ぎしりは食事よりも歯に負担がかかるといわれています。そのため、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、セラミックが欠けたり割れたりするリスクが高くなります。
また、氷や硬いお菓子などを噛んだときに、セラミックの歯が割れる可能性もあります。
歯を削る量が増える
セラミックは強度を保つために一定の厚みが必要です。そのため、銀歯などと比較して健康な歯質をより多く削る必要があります。神経の近くまで歯を削った場合、神経を抜く処置が必要になるリスクも高くなるでしょう。神経を抜くと、歯の寿命が短くなる要因となります。
定期的なメンテナンスが必要
セラミックを長持ちさせるためには、定期的な噛み合わせの調整とメンテナンスが必要です。噛み合わせは日々変わるため、一度チェックしたからといって安心できません。セラミックは硬い材質であるため、噛み合わせが強く当たる部分があると、対合歯を傷める可能性があります。
また、セラミックは虫歯になりにくい素材ですが、土台となる天然の歯は虫歯になる可能性があります。そのため、定期的にメンテナンスを受けて確認してもらうことが大切です。通院の時間が取れない方にとってはデメリットといえるでしょう。
奥歯に使用されるセラミックの素材

セラミックと一口にいっても、実はさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。治療内容や希望に合わせて、適切な素材を選ぶことが大切です。ここでは、奥歯に使われる代表的なセラミック素材の種類と特徴について解説します。
オールセラミック
オールセラミックは、セラミックだけで作られた素材です。天然の歯のような白く透明感のある見た目を再現できるため、審美性が求められる前歯に使用される傾向があります。また、金属を含まないため、金属アレルギーの症状が現れる心配もありません。
ハイブリッドセラミック
セラミックと歯科用プラスチックが混合された素材です。歯科用プラスチックを混合しているため、ほかの素材に比べて審美性・耐久性に劣ります。また、経年劣化による変色や擦り減りのリスクがあるため注意が必要です。
費用を抑えたい方や、それほど強度を必要としない部位に選択される傾向があります。
e-max
e-maxはニケイ酸リチウムを主成分とした材料で、天然歯に近い透明感と美しさを実現できます。適度な摩耗性があり、噛み合う歯を傷める心配も少ないでしょう。オールセラミックと比較して丈夫な素材なので、奥歯の使用にも耐えうる強度を併せ持ちます。
ただし、ジルコニアと比較すると強度が劣るため、噛み合わせが強い方や歯ぎしり・食いしばりのある方は、適応外になるケースも少なくありません。
ジルコニア
人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど強度が高い素材です。美しさだけでなく高い強度も持ち合わせているため、強い力がかかる奥歯の治療にも使用されます。歯ぎしりや食いしばりの強い方でも安心して使用できるでしょう。
ただし、オールセラミックやe-maxと比較すると透明感など審美性に劣るといわれています。
メタルボンド
金属のフレームの上にセラミックを焼き付けた被せ物です。表面にセラミックを焼き付けているため審美性が高く、内側は金属のため強度も保つことができます。そのため、奥歯の治療で選ばれることが多いでしょう。
ただし、金属を使用しているため金属アレルギーのリスクや長年の使用による歯茎の変色のリスクがあります。
奥歯をセラミックにする場合の費用

奥歯をセラミックにする場合にかかる費用は、歯科医院によって異なります。以下の表は、素材別の費用目安についてまとめたものです。
<セラミックの素材別の費用相場>
種類 | 詰め物 | 被せ物 |
---|---|---|
オールセラミック | 6万〜8万円程度 | 8万〜20万円程度 |
ハイブリッドセラミック | 3万〜5万円程度 | 5万〜8万円程度 |
e-max | 4万〜6万円程度 | 7万〜10万円程度 |
ジルコニア | 7万〜10万円程度 | 10万〜20万円程度 |
メタルボンド | – | 8万〜15万円程度 |
セラミックの詰め物・被せ物の費用は高いものの、寿命が10〜15年ほどといわれており、しっかりとケアをおこなえばそれ以上使用することも可能です。長期的に見ると、頻繁に治療を繰り返す必要がある銀歯よりも経済的でしょう。
まとめ

奥歯のセラミック治療は、審美性と機能性を兼ね備えた優れた選択肢です。銀歯と比較して、自然な見た目を実現でき、金属アレルギーの心配もありません。また、耐久性に優れているため、長期的に見ると治療回数を減らすことができるのも大きなメリットだといえるでしょう。
一方で、費用が高額になる点や、割れるリスクがある点はデメリットといえます。セラミック治療を検討する際は、メリット・デメリットを十分に理解し、信頼できる歯科医師に相談しましょう。
セラミック治療を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みを癒すだけでなく生活の質を向上できる歯科治療を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな治療を行っています。