こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。

矯正治療は痛みが生じるものというイメージを抱いている方も多いかもしれません。特に、小児期の矯正の場合「子どもに痛い思いをさせるのは不安」「痛みで子どもが嫌がらないか心配」という保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、小児矯正で痛みが出るタイミングや装置の種類による痛みの違い、痛みがあるときの対処法などについて解説します。
目次
小児矯正って痛いの?

小児矯正は、大人の矯正とは異なり、痛みが少ないといわれています。痛みには個人差がありますが、痛みが原因で矯正治療を途中でやめるお子さんはほとんどいません。
矯正治療中のタイミングによっては、鈍い痛みや違和感、不快感などを覚えることもありますが、時間の経過とともに気にならなくなることが多いでしょう。
小児矯正ではどんなときに痛みがある?

ここからは、矯正治療で痛みが出るタイミングについてみていきましょう。痛みやすいタイミングは、以下の通りです。
初めて装置をつけたとき
初めて装置をつけたときは、装置を装着した状態に慣れていないため、違和感を覚えやすいです。特に、装置をつけ始めて数日程度は、違和感や痛みを強く感じる可能性があるでしょう。
しかし、1週間程度経過したころには気にならなくなることがほとんどです。なお、お子さんの年齢が低いほど早く装置に慣れる傾向にあります。
歯が動くとき
矯正治療が開始されると、徐々に歯が動いていきます。このタイミングでお子さんが痛みを訴えることも多いです。
しかし、痛みの感じ方には個人差があるため、歯が動き始めても全く痛みを感じないお子さんもいらっしゃいます。
また、矯正治療を始めると、歯並びが整うまで少しずつ歯が移動していきますが、矯正期間を通してずっと痛みが続くわけではありません。多くの場合、矯正治療が進むにつれて痛みが軽減していきます。
調整の直後
矯正装置の種類によっては、定期的にワイヤーを締めるなどして力をかける強さを調整します。そのような調整のタイミングにおいても、痛みを感じることがあります。特に、調整直後〜1日程度は痛みを感じやすいでしょう。
しかし、矯正治療を始めたころの痛みに比べれば、軽く済むことが多いです。
装置が口の中に当たったとき
矯正治療の装置が粘膜に当たったときに痛みを感じることもあります。特に、頬の内側や唇、歯ぐき、舌などに当たると、痛みや不快感を覚えやすくなります。また、接触刺激によって粘膜が擦れたり傷ついたりすると、口内炎ができることもあります。
装置が当たる痛みは、装着開始〜数日程度で解消されるケースがほとんどですが、我慢できないほど痛みが続く場合には、歯科医師にご相談ください。
使用する装置によって痛みは異なる?

矯正治療による痛みは、使用する装置によっても異なります。以下では、装置ごとの痛みの特徴について解説します。
顎外固定装置
顎外固定装置とは、口の中ではなく、外に取り付ける装置のことです。顎外固定装置には、ヘッドギアやチンキャップ、上顎前方牽引装置(MPA)などがあり、口の中に取り付ける装置だけでは矯正効果が得られないような場合に用いられます。
顎外固定装置は、主に就寝時に使用することが一般的ですが、朝起きたときに前歯や奥歯が痛むことがあります。
とはいえ、装着開始から1週間程度経てば、痛みが気にならなくなることが多いです。
固定式拡大装置
固定式拡大装置とは、上顎を横方向に広げるために用いられる装置です。金属のバンドと太いワイヤーで固定し、ネジを回して力をかけます。装着後2〜3日程度は、奥歯や歯ぐきに痛みや不快感を覚えることがあり、長い方では1週間程度続くこともあります。
また、食事のときに痛みが出ることも多く、鼻や口元にツンとするような痛みが出たり、舌や歯ぐきに不快感を覚えたりすることもあります。
床矯正装置
床矯正装置とは、上顎の粘膜部分につけるプラスチックと、歯の表側を抑えるワイヤーによってできている装置のことです。床矯正の装置は、顎を広げて永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保するために用いられます。
装置が当たって多少痛みが出たり話しにくくなったりすることがありますが、痛みが強く出ることはほとんどないでしょう。なお、装置自体は取り外しができますので、食事や歯磨きに支障が出る心配はありません。
マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)
マルチブラケット装置とは、ワイヤー矯正に用いられる装置のことで、歯の表面に直接取り付けて使用します。
ワイヤー矯正では、ブラケットにワイヤーを通して強い力をかけるため、矯正装置のなかで最も痛みを感じやすいといわれています。特に、装置を装着して2〜3日は、強い痛みを感じやすいでしょう。
なお、装置が頬の内側に当たって痛みを感じる場合には、専用のワックスを塗って対処できます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正では、薄くて透明なプラスチック製の装置を使用します。ワイヤー矯正のように強い力で動かすのではなく、マウスピースを定期的に交換しながら弱い力で段階的に動かすため、痛みが少ない矯正方法といわれています。
しかし、矯正を開始して間もないころやマウスピースを交換するタイミングでは、圧迫されるような痛みを覚えることがあります。多くの場合は、数時間〜1日程度で気にならなくなるでしょう。
矯正中に痛みがあるときの対処法

矯正期間中に痛みや違和感を覚える場合の対処法には、以下のようなものが挙げられます。
硬い食べ物を控える
矯正治療中に痛みが気になるときには、硬い物を控えることが大切です。
特に、矯正装置を装着して間もないころは、歯や歯周組織が敏感になりやすく、硬い物を噛む刺激で痛みが酷くなることがあります。また、硬い食べ物を噛んだときに装置が破損することもあるため注意しましょう。
そのほかにも、ガムやキャラメルなど粘着性の高い食べ物は、装置にくっついて変形を引き起こすことがあります。これによって痛みが出たり口の中を傷つけやすくなったりするリスクが高まります。
痛み止めを服用する
小児期の矯正で耐え難い痛みを感じることはほとんどありませんが、万が一、我慢できないほど強い痛みがある場合には、痛み止めを服用するのもよいでしょう。
ただし、市販の痛み止めには、歯が移動するのを妨げる成分が入っていることもあるため、購入する際は薬剤師に相談すると安心です。歯科医院で痛み止めを処方してもらえる場合もありますので、痛みが続くときには歯科医師にご相談ください。
歯科医師に相談する
矯正治療開始時や調整時に生じる痛みのほとんどは、1週間程度で治まるケースがほとんどです。
しかし、1週間経っても痛みが続く場合や、徐々に痛みが強くなる場合などは、我慢せずに歯科医師にご相談ください。場合によっては、矯正装置を調整することで痛みが軽減される可能性もあります。
また、頬の内側に装置が当たって痛みを感じる場合には、専用のワックスを塗布する方法もありますので、まずは痛みの原因を明らかにすることが重要です。
まとめ

今回は、小児矯正で痛みが出るタイミングや装置の種類による痛みの違い、痛みがあるときの対処法などについて解説しました。
お子さんの矯正治療を検討する際「矯正治療の痛みや不快感が不安」と感じる保護者の方は少なくありません。
しかし、実際には、大人の矯正のように強い痛みが出ることはほとんどありません。痛みの感じ方には個人差がありますが、痛みやすいタイミングには矯正治療開始直後や調整直後などが挙げられます。いずれにしても、数日〜1週間程度で気にならなくなることがほとんどです。
また、装置の一部が頬の内側や舌などに触れることで痛みや違和感が生じることもあります。この場合には、装置を調整したりワックスを使用したりする必要がありますので、早めに歯科医院を受診して相談しましょう。
お子さんの矯正治療について不安や疑問があれば、歯科医院へご相談ください。
小児矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みを癒すだけでなく生活の質を向上できる歯科治療を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな治療を行っています。