こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」です。
子どもの歯並びや噛み合わせの問題は、見た目だけではなく、将来の健康や発音、食事のしやすさにも影響を及ぼします。そのため、小児矯正に関心を持つ保護者も年々増えてきています。
しかし、小児矯正は保険が適用されないケースが多く、費用がいくらかかるのか、不安に思う方も少なくありません。また、矯正治療は1期治療と2期治療に分かれており、それぞれの治療内容や費用にも違いがあります。
この記事では、1期治療・2期治療それぞれの費用の目安や治療内容、保険の適用条件、費用を抑えるための方法などを分かりやすく解説します。小児矯正を検討している保護者の方々が、納得のいく選択をするための参考にしていただければ幸いです。
目次
小児矯正の費用｜1期治療
1期治療は、一般的に6歳から10歳頃の、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行われる矯正治療です。この段階では、顎の成長を利用しながら歯並びや噛み合わせの土台を整えることが目的となります。
2期治療のような本格的な歯の移動は行わず、将来的な矯正の必要性を減らしたり、治療期間を短縮したりする効果が期待されます。1期治療で使用される装置にはいくつか種類があり、装置によって費用が大きく異なるため、それぞれの特徴とともに解説します。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、透明なマウスピース型矯正装置使用して歯並びを整える方法です。取り外しができるため、衛生面でも優れています。大きな特徴は、顎の拡大と歯の移動を同時に行える点です。
ただし、自己管理が必要なため、保護者の方がサポートする必要があります。費用の目安は40万円〜80万円程度です。
プレオルソ
プレオルソは、取り外し可能なマウスピース型の矯正装置で、口呼吸の改善や舌の位置の修正、噛み合わせの調整などを目的としています。寝ている間と日中の一定時間だけ装着するタイプのため、負担が少なく就学前後の子どもに人気です。
プレオルソにかかる費用は5万円〜20万円程度です。
急速拡大装置
上顎の中央に固定して、顎の幅を急速に広げる装置です。顎の骨を直接拡げるため、強い矯正力があり、短期間で効果を得られます。
しかし、固定式であるため本人の負担や違和感はやや強めです。特に重度の狭窄に用いられることが多いです。費用の目安は20万円〜40万円程度です。
プレート矯正（拡大床）
プレート矯正では、主に上顎や下顎を横に広げる目的で取り外し可能な装置が使用されます。顎の成長を促すことで、将来的に永久歯がきれいに並ぶスペースを確保します。
使用時間の管理には保護者とお子さま本人の協力が必要ですが、痛みが少なく、日常生活への影響も少ないといわれています。費用の目安は10万円〜20万円ほどです。
小児矯正の費用｜2期治療
2期治療は、すべての永久歯が生え揃った11歳頃以降に行われる、本格的な矯正治療です。1期治療で顎の成長をコントロールした上で、歯の位置を整え、理想的な噛み合わせと歯並びを完成させることを目的としています。
2期治療においても、使用する矯正装置の種類によって見た目や費用、治療期間に差があります。ここでは、2期治療の費用を治療法ごとに解説します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、最も有名な矯正治療の1つです。歯の表面に金属製のブラケットを装着し、ワイヤーで歯を動かしていく治療です。
表側矯正
歯の表側（頬側）に装置をつける方法です。装置が目立つというデメリットはありますが、耐久性が高く、他の治療法と比べて費用も抑えられる点が特徴です。
費用は部分矯正の場合で15万円〜30万円程度、全体矯正の場合で50万円～100万円程度です。
裏側矯正（リンガル矯正）
裏側矯正は、歯の裏側（舌側）に装置を取り付ける方法です。外からは矯正中であることがほとんど分からず、審美性の高さから人気があります。装着感に慣れるまで時間がかかり、発音に影響が出る場合があります。
また、技術的に高度な治療であるため、費用は100万円〜130万円程度とやや高額になります。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを定期的に交換しながら歯を少しずつ動かしていく治療法です。取り外しが可能で見た目にも自然なため、近年特に人気が高まっています。
ただし、自己管理が重要であり、歯並びが複雑だとマウスピース矯正だけでの治療が難しい場合もあります。マウスピース矯正の費用の目安は部分矯正の場合で50万円程度、全体矯正の場合で約80万円〜100万円程度です。
小児矯正は保険適用の対象になる？
小児矯正の多くは、保険が適用されない自由診療として扱われるため、治療費は全額自己負担となります。
しかし、すべての矯正治療が保険の対象外になるというわけではありません。一定の条件を満たすことで、保険適用が認められるケースも存在します。
健康保険が適用される症例や条件
厚生労働省が定めた先天的な疾患や異常がある場合、小児矯正に保険が適用されることがあります。例えば、唇顎口蓋裂（しんがくこうがいれつ）、ダウン症候群、骨の発育異常（クルーゾン症候群、トリーチャーコリンズ症候群）などの症例が該当します。
また、その他、医療管理下での矯正が必要と判断された症例にも、保険が適用される場合があります。
小児矯正の費用負担を軽減する方法
小児矯正は長期間にわたる治療であり、費用の総額も高額になるケースが多く、家庭にとっては大きな負担になるでしょう。
しかし、公的な制度を活用したり工夫したりすることで、費用負担を軽減できます。ここでは、保護者の方が実践しやすい費用負担の軽減方法をいくつか紹介します。
医療費控除を活用する
小児矯正の費用は、条件を満たせば医療費控除の対象になります。医療費控除とは、1年間で家族全員の医療費が合計10万円（または所得の5％）を超えた場合、超えた分が所得から差し引かれる制度です。
確定申告が必要になるため、領収書や明細書は必ず保管しておきましょう。
分割払い・デンタルローンの利用
一括での支払いが難しい場合は、分割払いやデンタルローンを利用する方法があります。多くの矯正歯科では、治療費を月々の支払いに分けられる制度を導入しており、家計への負担を抑えることができます。
ただし、ローンを利用する場合には金利や手数料も確認しておき、無理のない返済計画を立てることが大切です。
事前に複数の医院を比較する
同じような治療内容でも、歯科医院によって費用が異なることがあります。治療費に含まれる項目（診断料、装置代、調整料など）や、対応している矯正装置の種類もさまざまです。
無料相談を受け付けている医院も多いため、複数の矯正歯科に相談し、見積もりや説明を比較検討するようにしましょう。
子どものうちに治療を始める
1期治療の段階で顎の成長をうまく誘導できれば、2期治療が不要になったり、簡単な処置で済んだりする場合があります。結果的に総費用を抑えることにつながるため、できるだけ早く歯並びの相談を始めましょう。
まとめ
小児矯正の費用は、治療の段階や使用する装置・方法によって大きく異なります。1期治療では顎の成長を促し、将来の歯並びの土台を整えることが目的で、費用の相場は20万円〜50万円程度です。
一方、2期治療は永久歯が生え揃った後に本格的に歯を動かす治療で、費用は60万円〜120万円以上になることもあります。また、小児矯正は基本的に自由診療ですが、特定の疾患を伴う場合には保険が適用されるケースもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
医療費控除や分割払い、複数医院の比較などを活用すれば、費用負担を軽減することも可能です。子どもの健康的な成長と笑顔のためには、早期の相談と計画的な準備が大切です。本記事を参考に、無理のない範囲で矯正治療を選んでいただければ幸いです。
小児矯正を検討されている方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科 矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みを癒すだけでなく生活の質を向上できる歯科治療を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな治療を行っています。