こんにちは。埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科矯正歯科クリニック」です。

私たちが日々の生活のなかで欠かすことのできないのが食事です。その食事を通して、心身の健康や生きる力を育む、食育という考え方が注目されています。
特に、子どもの成長期における食育は、体だけでなく歯の健康にも深く関係しています。食材の選び方や食べ方、食習慣のあり方など、日々の小さな積み重ねが将来の健康状態を大きく左右するのです。
今回は、食育の基本的な考え方から、歯の健康との関わり、そして家庭で実践できる食育のポイントまで詳しく解説します。子どもの歯の健やかな成長を支えるために、食育の大切さを改めて考えてみましょう。
目次
食育とは

まず、食育という言葉にはどのような意味があるのでしょうか。
食育とは、単に栄養バランスの良い食事を取るということにとどまらず、食を通じて健全な心と体を育む教育のことを指します。文部科学省や厚生労働省でも推進されており、保育園や学校などでも積極的に取り入れられています。
食育の目的は、子どもたちが食べることの大切さを理解し、自ら健康的な食生活を選択できる力を身につけることにあります。
また、食育は何を食べるかだけでなく、どのように食べるか・誰と食べるかも重要な要素です。たとえば、家族そろって楽しく食卓を囲むことで、食事の楽しさを感じ、心の豊かさや人とのつながりを育むことができます。
さらに、食材がどこから来ているのかを学ぶことで、自然や生産者への感謝の気持ちを養うことにもつながります。このように、食育は人生のあらゆる場面で生きる力の基盤となる大切な教育なのです。
食育が歯の健康にもたらす影響

食育は体の健康だけでなく、歯や口の成長にも深く関わっています。日々の食事内容や食べ方の習慣が、歯の発育や虫歯予防にどのような影響を与えるのかを知ることで、より効果的な食育を実践することができます。
ここでは、食育が歯の健康にもたらす影響について見ていきましょう。
歯や顎の成長を助ける
子どもの歯や顎の発達は、毎日の食事の内容によって大きく左右されます。
柔らかい食べ物ばかりを食べていると、顎の筋肉が十分に使われず、顎の骨の成長が遅れてしまうことがあります。その結果、歯が並ぶスペースが足りずに歯並びが悪くなったり、噛み合わせに影響が出たりすることもあります。
一方で、少し噛みごたえのある食材を取り入れることで、顎の筋肉が自然と鍛えられ、骨の発達を促すことができます。
たとえば、れんこんやごぼうなどの根菜類、りんごなどの果物、少し歯ごたえのある肉や魚を日常の食事に加えると良いでしょう。これらの食材は噛む力を養うだけでなく、食感を楽しむ力も育てます。
さらに、よく噛むことによって唾液の分泌が活発になり、口の中を清潔に保つ働きが強まります。唾液には細菌を洗い流す作用や、歯の再石灰化を助ける成分が含まれており、虫歯予防にも効果的です。
噛む力を育てることは、見た目の成長だけでなく、歯を健康に保つための土台づくりにもつながるのです。
虫歯のリスクを低下させる
食育の実践は、虫歯のリスクを減らすことにもつながります。虫歯は、口の中に残った糖分を栄養にして増える細菌が、歯を溶かすことで発生します。
そのため、糖分の多いお菓子やジュースの摂取を控えることはもちろん、食事のタイミングや間食の仕方を意識することも大切です。
食育では、甘いものを食べたら歯を磨く・だらだら食べを避けるといった習慣を自然と身につけることができます。また、カルシウムやリン、ビタミンDを含む食材をバランスよく摂取することで、歯の再石灰化を助け、強い歯を育てることにもつながります。
しっかり噛む力を育む
よく噛むことは、歯や顎の発達だけでなく、体や心の成長にも深く関わっています。
しっかり噛むことで唾液の分泌が増え、食べ物の消化を助けるだけでなく、脳が活性化し集中力の向上にもつながります。また、噛む回数が増えると満腹中枢が刺激されるため、食べ過ぎを防ぎ、肥満予防にも効果的です。
家庭では一口30回噛むなどの目標を立てて、家族みんなで楽しみながら実践してみると良いでしょう。例えば、噛みごたえのある根菜類や少し大きめに切った野菜を取り入れるだけでも、自然と噛む回数が増えます。
さらに、噛む力をしっかり育てることは、発音の明瞭さや表情筋の発達にも影響します。よく噛む習慣は、食べる力だけでなく話す力や笑顔を作る力にもつながる、大切な成長の土台なのです。
子どもの歯の健康を守るために大切な食育

子どもの歯を守るための食育は、毎日の食事のなかで無理なく取り入れられることが理想です。ここでは、家庭で実践できる具体的な方法を一つずつ解説していきます。
栄養バランスを意識した食事を心がける
乳歯は、これから生えてくる永久歯の道しるべとなる、とても大切な歯です。
乳歯の状態が悪いと、将来の歯並びや噛み合わせ、さらには顔の形にも影響を及ぼすことがあります。そのため、成長期の子どもには、歯や体の発育を支える栄養をしっかりと摂ることが欠かせません。
特に意識したいのが、タンパク質・カルシウム・ビタミン類のバランスです。カルシウムは歯を丈夫にする基本の栄養素で、牛乳やチーズ、小魚、豆腐、ブロッコリーなどに多く含まれています。
これに加えて、ビタミンDを多く含む鮭や卵を一緒に摂ると、カルシウムの吸収がより効率的になります。ビタミンKは骨や歯の形成を助け、ビタミンAは歯や歯茎の粘膜を健やかに保つ働きがあります。ビタミンCは歯茎を丈夫にし、出血や炎症を防ぐ効果が期待できます。
こうした栄養素を偏りなく取り入れるためには、主食・主菜・副菜をそろえたバランスの良い食事を意識することが大切です。食事を通して体を整えることが、健康な歯を育てる第一歩になるのです。
食事の時間を決めて規則正しい食習慣をつける
食事の時間が不規則になると、口の中が常に食べ物で汚れた状態になり、虫歯菌が活発になります。朝・昼・夕の3食をしっかりと時間を決めて取ることで、唾液の分泌リズムも安定し、自然な自浄作用が働きやすくなります。
また、ながら食べやだらだら食べを防ぐために、食事の時間と間食の時間を明確に分けることも大切です。例えば、夕食を18時半にしたら、それ以降はお菓子を控えるなど、家庭でルールを作ると良いでしょう。小さいうちから時間の意識を持たせることで、食べ過ぎ防止にもつながります。
よく噛んで食べる習慣をつける
現代の子どもは、柔らかい食事が多く、噛む回数が減っている傾向があります。
しかし、よく噛むことは歯と顎の発達だけでなく、唾液の分泌を促し、虫歯予防にもつながります。具体的には、ハンバーグをミートボールに変えて一口で噛む回数を増やしたり、野菜を少し大きめに切って調理するなど、家庭で簡単に工夫できます。
また、噛む回数を数えながら食べるもぐもぐチャレンジなどのゲーム要素を取り入れると、子どもも楽しんで習慣化しやすくなります。
間食の取り方を工夫して虫歯を予防する
間食は成長期のエネルギー源ですが、取り方次第で虫歯の原因にもなります。甘いお菓子やジュースを頻繁に摂ると、口の中が酸性に傾き、歯が溶けやすくなります。そこで推奨されるのが、歯にやさしい間食の選び方です。
例えば、チーズ、無糖ヨーグルト、ナッツ、煮干しなどは、カルシウムを補いながら虫歯のリスクを下げる優秀なおやつです。フルーツを食べるときは、食後に水を飲むか、軽くうがいをするだけでも口の中の酸性度が戻りやすくなります。
間食は1日1〜2回、決まった時間にとることを意識しましょう。
食を通じて子どもの好奇心を育てる
食育の基本は、食べることを楽しむ心を育てることにあります。親子で一緒に買い物をして、旬の食材を選んだり、簡単な調理を手伝わせたりすることで、子どもは自然と食に興味を持ちます。
例えば「にんじんはどんなところで育つの?」「お米はどんなふうに炊けるの?」といった問いかけを通して、食と自然の関わりを学ぶことができます。
自分で関わった食事を「おいしいね」と家族で食べる体験は、食べる意欲を高め、好き嫌いの克服にもつながります。
家族で食事をする時間を大切にする
家族全員で食卓を囲むことは、栄養面だけでなく、子どもの心の安定や社会性の育成にもつながります。家族との会話を通して、食べ方やマナーを自然と学び、安心感のなかで食事を楽しむことができます。
また、保護者の方が食事を楽しそうにとっている姿を見ることで、子どもも「食べることは楽しい」と感じるようになります。
1日1回でも家族全員で一緒に食卓を囲む時間をつくることで、歯の健康や生活習慣の改善にも良い影響を与えることができます。
まとめ

食育は、単なる食事の教育ではなく、子どもの一生の健康を支える大切な土台です。特に歯や口の健康は、食べ方や生活習慣と密接に関わっており、日々の小さな意識が将来の大きな違いを生みます。
バランスの取れた食事、よく噛む習慣、規則正しい生活を通して、強い歯と健やかな体を育てていきましょう。そして、家族で食卓を囲みながら、食の楽しさと大切さを子どもたちに伝えていくことが、何よりも効果的な食育の第一歩となります。
お子さんのお口の健康を守りたいとお考えの保護者の方は、埼玉県上尾市にある歯医者「とも歯科矯正歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
当院は、痛みを癒すだけでなく生活の質を向上できる歯科治療を目指して診療を行っています。小児矯正・小児歯科や成人矯正、虫歯・歯周病治療、ホワイトニングなどさまざまな治療を行っています。
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